物件探しで頭を悩ませるのは、やはり初期費用。相場は賃料の4.5ヶ月から5ヶ月ほど。なんとかならないものかと思っている時、敷金礼金なし、いわゆる「ゼロゼロ物件」が魅力的に映るものです。なぜ、ゼロゼロ物件が存在するのでしょうか?その仕組みや、本当にお得なのかどうかを、しっかり解説していきます。
では早速、敷金礼金なし物件のデメリットを解説していきます。詳細は各トピックでデータを参照しながら説明していますので、物件探しの際に活かしていただければ幸いです。
そもそも敷金礼金なしの物件は物件全体の20%から25%程度しかありません。市場にある物件のうち75%から85%を捨てることになります。これではいい物件が見つかる可能性が大幅に減ってしまいます。
この内容は2.敷金礼金なし物件がどのくらいあるのか?で、しっかりと説明していきます。
敷金は家賃滞納時の担保と、退去時の原状回復費用を契約時に大家さんに預けてるもので、残金は退去後に返金されます。つまり早かれ遅かれ実費は支払うことになるので、別に安くなってはいません。契約時の初期費用を抑えられるメリットはあるものの、退去する際、新たに費用が発生するのは痛いものです。対象物件を減らしてまで、こだわる理由はないと考えるべきでしょう。 この内容は3.そもそも敷金って何?敷金なしのメリット・デメリットは?で、しっかり説明していきます。
多くの礼金なし物件では、礼金がない分を家賃で補填しているケースが多いです。当社の成約事例データで検証していますが、2年以上物件に住むつもりなら礼金なしが、デメリットになる可能性があります。近隣相場と比較して判断しましょう。 この内容は4.そもそも礼金って何?礼金なしのメリット・デメリットは?でしっかりと説明していきます。
短期解約の違約金や解約2ヶ月前告知前告知などの礼金回収の仕組みがあるとデメリットにつながります。図面には書かれていないことが多いので、短期間で解約する可能性がある人は要注意です。
この内容は4.そもそも礼金って何?礼金なしのメリット・デメリットは?でしっかりと説明していきます。
さて次に、敷金礼金なし物件はどの程度あるのでしょうか?募集中の敷金礼金なし物件の数や比率、実際に当社で契約に至った敷金礼金なしの物件数を検証してみました。
当社バレッグスの成約物件データ500件から調査したところ、全体の13.2%にあたる66件が敷金礼金なしの物件でした。
なお、大手ポータルサイトに掲載されている敷金礼金なし物件は以下のような結果になりました。
SUUMO(東京城南4区) 全体 317,401件 敷金礼金なし 79,920件 (25.18%) HOMES(東京城南4区) 全体 55,577件 敷金礼金なし 13,045件 (23.47%) athome(東京城南4区) 全体 74,345件 敷金礼金なし 15,353件 (20.65%)
※ポータル3社 2022.10.13 13:00調査
㈱バレッグス2022年8月~9月成約データ500件より
掲載物件では20.65%から25.18%、当社で実際に契約に至った物件割合は13.2%という結果になりました。 なお、バレッグスで敷金礼金なしの物件が少ないことや、敷金礼金なしの物件を積極的に紹介していないということはありません。結果として敷金礼金0以外の物件を選んだお客さんが多かったと言えます。それでは敷金、礼金とはそれぞれどのようなものなのでしょうか。おさらいしてみましょう。
当社成約事例での敷金の割合は以下の通りとなりました。
敷金1か月 367件 73.40% 敷金0カ月 97件 19.40% 敷金2か月 20件 4.00% 敷金0.5カ月 5件 1.00% 敷金3か月 5件 1.00% その他 6件 1.20%
当社成約事例での礼金の割合は以下の通りとなりました。
礼金1か月 304件 60.80% 礼金0カ月 159件 31.80% 礼金2か月 15件 3.00% 礼金0.5カ月 11件 2.20% 礼金1.5か月 5件 1.00% その他 6件 1.20%
敷金礼金ともに1か月が主流で、73.40%・60.80%という結果でした。 続いて敷金礼金ともに0カ月で、19.40%・31.80%、そのほかは7%しかありませんでした。
ではそもそも敷金とはどのようなものなのか、あらためて説明したいと思います。
敷金とは、賃貸物件の契約時に、大家さんに預け入れるお金です。その目的は大きく2点あります。
1つ目は、家賃の支払いが滞った場合に、大家さんが預かり敷金から賃料を補填する目的。大家さんとしては家賃の支払いが滞ることが一番のリスクです。万が一家賃が支払われなかった場合、敷金で一時的に補填し、その後、補填した不足分を新たに預け入れるよう契約者に請求します。
敷金なし物件の多くは、保証会社の加入を必須として、滞納リスクを解消しています。保証会社は大家さんに向けて賃料の滞納保証を入居者の費用負担で行うもので、一般的に家賃・管理費0.5ヶ月分ほどを契約時に支払います。 ※保証会社についての説明は別のコラムで解説していますので、ご参照ください。 賃貸の審査を通すポイントとは?!賃貸の入居審査基準について徹底解説! 4.保証会社必須の物件が増えている
2つ目は、退去後の原状回復費用及びクリーニング代をあらかじめ預かっておく目的です。退去時の原状回復費用(入居者の過失で壊してしまった部分の修繕やクリーニング代)も、敷金を預け入れていない場合、夜逃げのようなケースでは未回収になってしまいます。そのリスクを防ぐ為に、事前に預け入れているというわけです。
敷金なしの場合、契約時にクリーニング代相当額を前払いすることが多いようです。普通に使っていれば退去時に別途費用は発生しませんが、入居者の過失で破損や故障があった場合は別途請求されることになります。
つまり、入居期間中、何も問題なく使用していれば、退去時にクリーニング代を差し引いた額が返金されるお金が敷金です。
当社バレッグスの成約物件データ500件から調査したところ、全体の19.40%にあたる97件が敷金なしの物件でした。
なお、大手ポータルサイトに掲載されている敷金なし物件は以下のような結果になりました。
SUUMO(東京城南4区) 全体 317,401件 敷金なし 123,671件 (38.96%) HOMES(東京城南4区) 全体 55,577件 敷金なし 18,412件 (33.13%) athome(東京城南4区) 全体 74,345件 敷金なし 21,011件 ※ポータル3社 2022.10.13 13:00調査 (28.26%)
次にそもそも礼金とはどのようなものなのか、あらためて説明したいと思います。
礼金とは、賃貸物件の契約時に、大家さんに支払うお金です。一般的には大家さんは礼金を用いて物件の維持管理や大規模メンテナンスを行ったりしています。 敷金が大家さんに預け入れるお金だったものに対して、礼金は大家さんに支払う費用となります。ですから退去時にも返金はされません。
礼金は大家さんに支払う費用なので、礼金なしは初期費用がその分安くなります。これは大きなメリットであるといえます。ただし、デメリットになり得る要素が大きく4つあります。必ず事前に確認しましょう。
礼金なしの分が、家賃に上乗せされているケースがあります。 例えば賃料7万円礼金1ヶ月の物件が、賃料7.3万円礼金0ヶ月になるケースです。
礼金なしにする分、礼金7万円を2年間24ヶ月で割った、月2,916円を、賃料に加算し7.3万円にする。この場合入居期間が2年より長くなるとデメリットになります。 実際に当社の成約事例で礼金なしの物件と礼金ありの物件との一坪あたりの賃料単価を比較した表を御覧ください。礼金なしの坪単価が+499.5円という結果になりました。25平米(7.56坪)の物件の場合3,777円相場より高いことになります。2年間で90,659円ですのでちょうど1ヶ月の家賃くらいです。
①で説明したように、礼金なしの物件は月々の家賃で補填しているケースがあります。礼金なし物件の中には1年未満の解約の場合、短期解約の違約金として賃料1ヶ月分を支払うことが、特約に定められている場合があります。1年間では礼金分を補填できないので、短期解約を防止する為に付加されています。1年間、家賃が上乗せされ、かつ違約金で家賃の1ヶ月分を支払わなければならないとなっては、大きなデメリットとなります。重要事項説明書や契約書の特約事項にしっかりと目を通すようにしましょう。
賃貸物件の解約をする際、事前に大家さんか不動産会社に退去する連絡を入れます。賃貸の契約書には解約告知◯ヶ月前という風に、何ヶ月前に解約の連絡を入れなくてはならないかが記載されています。解約告知期間前に解約する場合は、その記載された期間の家賃管理費相当額を支払えば、即時解約が可能です。通常1ヶ月前告知の物件が多い為、2ヶ月前告知の場合は即時解約の場合+1ヶ月分の家賃管理費がかかることになります。このように礼金なしの分を解約告知期間を長く設定することで補填していることがあります。
駅から遠い物件や、築年数が古い物件など、なかなか入居者が見つからない物件を礼金なしにすることがあります。1ヶ月空室のままであることと、礼金を1ヶ月減らすことは大家さんにとって同じことだからです。物件の条件が他と比較して悪くないか、しっかりと比較しましょう。
当社バレッグスの成約物件データ500件から調査したところ、全体の31.8%にあたる159件が礼金なしの物件でした。
なお、大手ポータルサイトに掲載されている礼金なし物件は以下のような結果になりました。
SUUMO(東京城南4区) 全体 317,401件 礼金なし 152,346件 (48.00%) HOMES(東京城南4区) 全体 55,577件 礼金なし 25,236件 (45.41%) athome(東京城南4区) 全体 74,345件 礼金なし 33,134件 (44.57%)
※ポータル3社 2022.10.13 13:00調査 (28.26%)
敷金は原状回復費用を預けているもので、実費は早かれ遅かれ支払います。敷金なしに、こだわりすぎるあまり対象物件が減少するのは、もったいないです。初期費用を抑えるなら礼金。礼金なしの物件をまずは探しましょう。該当物件が2倍弱増えます!
㈱バレッグス2022年8月~9月成約データ500件より その他デメリットで説明していることを考慮して物件を選べばリスクは軽減されるはずです。
以上、敷金礼金なし物件のデメリットについてでした。最後までご覧いただきありがとうございます。
外部リンク suumo敷金礼金なし物件(目黒区・品川区・世田谷区・大田区)
バレッグス学芸大学本店
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