会社の福利厚生や転勤での引越で行わることがある賃貸の法人契約。法人契約とはそもそもどのような契約なのでしょうか。実際に契約する際の注意点や、申請から物件探し、契約までの流れを徹底解説します。はじめて法人契約をされる予定の方は是非チェックしてみてください。
法人契約とは個人の入居者に代わり事業者が結ぶ賃貸借契約のことをいいます。一般的には会社が社員の社宅として賃貸契約をする場合や、会社が事業用の店舗や事務所、駐車場などを契約する場合、フリーランスの方が住居件事務所(SOHO)を契約する場合などがあります。
住宅の法人契約で最も多いパターンがこの家賃補助を出して借りる居住用賃貸です。会社が社宅として社員に代わって物件の契約名義人になるパターンで、他勤務地からの転勤の際や、福利厚生として社員に一般賃貸物件を社宅として法人契約ができる場合などがあります。賃料や契約諸経費を会社は一切負担しない場合でも節税対策として法人契約を利用できる企業もあります。国税庁HPのリンクを添付しますので該当する方はご確認ください。 国税庁 No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき
フリーランスや個人事業主の方が賃貸物件を住居兼事務所(SOHO)として法人契約をすることもあります。賃貸物件の多くは住居専用であるため住居兼事務所での契約が可能な物件はかなり絞られます。SOHO可物件を探している旨を不動産会社に必ず伝えましょう。
個人契約と法人契約で契約にかかる諸経費に違いはありません。ただし会社の社宅規定などで初期費用を会社が負担してくれる場合もありますので、会社の総務部等社宅手続きを担当してる部署に必ず確認しましょう。
法人契約はどのような流れで進めていくのでしょうか。細かく解説していきしょう。なおここからの解説は会社が家賃補助を出して借りる居住用賃貸の解説をしていきます。
まずは会社の総務部等、社宅契約の担当部署に連絡をしましょう。法人契約が可能な会社の多くは「社宅規定」を定めています。社宅規定には社内手続きのフローや社宅対象物件の規定、家賃補助額の規定、初期費用額の規定、契約手続きについての規定など、法人契約を行う上で最も重要な項目が記載されています。まずは社内手続きのフローと社宅対象物件の規定にしっかりと目を通し要件を確認しましょう。またその他の規定について不動産会社の担当者に目を通してもらいましょう。不動産会社の担当者は法人契約に精通している人も多いので、社宅規定を見せればポイントや該当物件の要件を確認した上で提案をしてくれます。社宅規定のデータや写しを持参の上、部屋探しをはじめましょう。
では物件や契約の規定にはどのようなものがあるでしょう。専門的な内容が多い為、少しわかりにくいですが物件を探す上でとても重要です。社宅規定をプリントするかデータを保存するなど、不動産会社の担当者に見てもらった上で物件を探すのがおすすめです。会社によりもちろん違いがありますので一般的な注意点や制約事例を解説していきます。
引越しをする地域、勤続年数、年齢、同居家族の人数等により家賃に上限を設けているケースが多くあります。また規定の家賃を絶対超えてはならない場合や規定の家賃を超えた場合、自己負担分すれば契約可能な場合など社宅規定によって様々です。賃料の上限とは別に会社が負担する賃料の上限を定めている場合もあるのでしっかりと確認しましょう。
初期費用の上限として敷金2か月以下・礼金2か月以下の規定が設けられていることが多いです。敷金礼金が2か月以上の物件はあまりありませんが、ペットの飼育可能な物件でペットを飼育する際に敷金+1か月ということがしばしばあります。こちらも物件を探す上で重要な要件のひとつです。また会社の規定によって初期費用の 負担は全額社員のケース、初期費用のうち会社が負担する金額の上限など自己負担に関する規定が設けられていることもありますので必ず確認しましょう。 ※ペット飼育に際して敷金償却(敷金が返金されないこと)が契約条件となることがあります。敷金償却は法人契約の規定でNGとしている会社も多いので注意が必要です
勤務先から物件まで電車や徒歩を含み30分以内、勤務先から半径〇km以内、勤務先から〇駅以内など、物件の所在エリアに制約が設けられていることがあります。物件を探す上でこちらも重要な要件ですので必ず確認しましょう。
物件は築後20年以内のものに限る、単身者は30㎡未満、夫婦は40㎡以上、夫婦と子供の場合は50㎡以上、木造のアパート不可など対象物件に制約を設けていることも多いです。対象物件でないと会社のOKが出ませんので必ずチェックしましょう。
定期借家契約とは契約期間が2年3年など予め定められており更新が出来ない契約をいいます。法人契約では定期借家契約がNGというケースが多く注意が必要です。会社も2年や3年で更新ができずに契約満了となれば、次の住居を契約する為に諸経費を再度、負担しなければならないのでNGとすることが多いのです。またなぜ定期借家契約がことさら問題になるかというとご家族連れでの転勤の場合、一戸建や分譲マンションなどの広い物件を探すことが多くなります。一方戸建や分譲マンションは、所有者も転勤の期間に限定して貸し出していることが多い為、法人契約で住居を探す際、定期借家契約の物件にあたってしまうことが多くなるのです。とても重要な要件ですので必ず確認しましょう。
賃貸物件の貸主は法人でなければならないという規定を設けいている企業もあります。大型マンションの貸主は法人である場合が多いですが1Kなどの単身者向けの小規模物件では貸主が個人であることが多いです。物件の選定に重要な要件ですのでこちらも必ず確認しましょう。
総務部など担当部署に申請し要件を確認したらようやく物件探しです。ただし転勤でのお部屋探しでは、度々移動先にある不動産会社に訪問することも出来ません。要件を満たした物件をSUUMOなどのポータルサイトで探した上で、物件を問い合わせ、担当者と直接、できれば電話で一度しっかりと話をして、入念に準備をしてもらいましょう。前述した通り法人契約では物件に様々な制約が設けられている為、急に不動産会社に訪問しても社宅規定の確認から候補物件の選定まで時間がかなりかかってしまい非効率です。内見物件の候補を4-5件選定した上で訪問するくらいの準備が必要です。不動産会社の担当と相談し、しっかりとした準備をしましょう。会社の規定で物件を探す仲介業者が指定されていることもありますのでこちらも事前に必ずチェックしましょう
法人契約では一般的に入居申込を行う際、社員が仮で申込書に記入し一次受付をします。一次受付というのは契約名義人はあくまでも法人(会社)である為、正式な申込は会社の担当者または社宅代行業者が行うからです。社宅代行業者とは会社と提携して不動産契約の手続きを代行する企業で大手法人企業は提携していることが多いです。多くの場合は社員が仮の申込をした段階で申込自体は受理してくれることが多いですが、申込を行った際はすみやかに会社の担当者または代行業者に連絡をして正式な手続きを進めてもらいましょう。
入居審査は法人契約と個人契約では大きく異なります。個人契約の場合は個人の所得が主な審査基準になりますが、法人契約では会社の規模や業績が審査の基準となります。それに応じ必要書類も異なりますのでしっかりと確認しましょう。 【法人契約の必要書類】 ①会社の登記簿謄本 ②会社の決算書の写し ③会社の印鑑証明書 ④代表者の印鑑証明書 ⑤入居者の身分証明書 ⑥入居者の社員証
主にこのような書類が必要になります。ただし申込後の手続きは社員ではなく法人担当者または社宅代行業者が対応するケースがほとんどです。個人で準備可能な身分証明書と社員証は必ず持参するようにしましょう。法人が大手企業の場合は必要書類の多くが免除されることがあります。中小企業の場合は必要とされることが多いので事前に担当者に相談しておきましょう。
契約手続きも法人契約と個人契約では流れが大きく異なります。なぜならば前述した通り、法人契約の契約名義人は法人だからです。個人契約では契約時に直接不動産会社に赴き手続きを行いますが、法人契約の場合は契約書を郵送して手続きをすることも多いため、契約手続きに時間がかかります。一般的には申込から契約までに2週間から3週間程度の時間がかかりますので、物件探しのスケジュールは余裕を持って組むように注意しましょう。なお、契約にあたって重要事項説明や原状回復ガイドライン等の説明を社員(入居者)に行うこともしばしばあります。転勤の場合その時間や機会をつくることが難しいことも多いので、事前に不動産会社に相談しましょう。
契約にあたって必要な保証人、法人契約の場合どう対応するのでしょうか?会社が大手法人の場合は規定で保証人をたてないことを条件とするケースが多いです。不動産業界では大手法人に保証人をたてないことが慣習上も多いのでそこまで心配する必要はありません。家主によっては保証人が必須ということもありますので念のために事前に不動産会社に伝えるようにしましょう。また火災保険は入居者が個人名義で契約するケース、法人指定の保険会社で契約することが要件となっているケースと様々です。契約時に慌てない為にも事前に保険の項目にもしっかりと目を通すようにしましょう。
契約が無事完了すると鍵の引渡し、引越しとなります。鍵は入居者本人が受け取ることがほとんどで鍵の受領書に入居者の捺印が必要なことも多いです。また物件によっては引越し業者に指定がある場合や引越し日時を事前に連絡することが必須なことも。不動産会社への確認は事前に必ずしましょう。
(1)総務に申請し「社宅規定」をもらうこと (2)物件の要件・契約の要件をしっかり確認すること ①賃料に上限があるか ②初期費用の上限があるかどうか ③物件のエリアに制約があるか ④築年数や・延べ床面積、構造等に制約があるか ⑤定期借家契約の物件がNGかどうか ⑥貸主が個人法人どちらでも可能か (3)物件探しの仲介業者に制限があるか確認すること (4)内見前に不動産会社に社宅規定を確認の上、4-5件は内見できるよう準備すること (5)申込から契約の手続きを担当するのは会社の担当部署か社宅代行業者か確認すること (6)法人契約の契約手続きは2~3週間。余裕を持ってスケジューリングすること (7)保証人は会社の規定でNGか確認すること (8)火災保険は会社で指定があるか、個人契約か、費用負担はどちらかを確認すること (9)鍵の引き渡しは個人でよいか、捺印は個人でよいのか確認すること (10)引越業者に指定はあるか?引越し日時の連絡はいつまでにどこにするか確認すること
以上法人契約についての解説でした。とにかく法人契約のルールブックである「社宅規定」の把握と不動産会社との連携がなによりも重要です。チェックリストを使ってしっかり把握し安心した引越しができるよう準備をしましょう。
東急沿線でのお引越しを検討されている際は是非バレッグスにもお問合せください。法人契約の経験豊富な社員がしっかりサポート致します。
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