(1)先行申込
まず一つ目が通常の賃貸アパートの「先行申込」をする方法です。
①先行申込とは
先行申込とは、賃貸物件の内見をする前に入居申込をすることをいいます。内見申込と呼ばれることもあります。通常は物件の内見をした後に申込手続きをしますが、退去予定の物件や、新築未完成の物件などで、内見が出来ない場合に先行申込を受付することがあります。
つまり、新築物件であれば「建物の完成」が、入居中物件であれば「退去」が、合格発表の後であれば、仮押さえが出来ていることになるというわけです。これはとても有効な方法です。
②先行申込のメリット
(a)内見してから最終判断できる
先行申込の一番のメリットは、実際に内見をしてから決めるかどうか判断できることです。物件を見てやっぱり違うと感じればキャンセルが出来るのは安心です。
(b)物件の予約が出来る
特に繁忙期は条件の揃った物件は、内見して決めようと思ったら既に他から申込が入ってしまうことも頻繁に起こります。内見申込で優先的に判断できる状態になるだけでも安心できます。
③先行申込のデメリット
(a)原則1件のみ
先行申込は内見後判断が出来るとは言え、基本的には契約することが前提です。仮押さえの気持ちで2件3件と先行申込をすることは原則出来ません。
「だったら複数の不動産会社で1件づつ申込すればいいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、違う不動産会社でも、申込物件の管理会社が同じ場合や、家主が同じ場合、また保証会社が同じ場合などに、複数申込が入っていることがバレてしまうことも十分考えられます。そのような場合、キャンセルする可能性が高いと判断されて審査が落ちてしまうことも。。。
先行申込は1人1件までが原則ということをしっかり覚えておいてください。
(b)あくまでも申込、入居が確約されてはいない
先行申込はあくまでも申込です。絶対に入居できるわけではありません。人気物件では先行申込が複数本入ることがほとんどで、一般的には申込をした順に、一番手、二番手と順番がつけられます。一番手の人がキャンセルになれば二番手が繰り上がるという流れです。
(b-1)順序が入れ替わるリスクがある事情として、先行契約も平行して受け付けている場合があげられます。先行契約とは内見をせずに契約することで、先行申込より優先されます。先行申込をする物件が、先行契約も受け付けているかどうかは、しっかりと確認しなければなりません。
(b-2)順序が入れ替わるリスクがある事情として、交渉をしている場合があげられます。
内見後、一番手、二番手ともに契約意思があったとして、賃料交渉が入っている一番手と、交渉が全くない二番手がいた場合に、二番手の申込が選ばれることは普通に起こります。二番手に交渉がないので、満額であれば契約できますと丁寧に言ってくれればありがたいですが、審査落ちとしてバッサリ処理されてしまうこともありますので注意が必要です。
(C)内見までの間も時間は流れている
先行申込から内見までの期間が1ヶ月後だったとして、実際に内見して気に入らなかったとなった場合、もちろんその期間は経過しています。
入居時期が決まっている場合、短い期間で新たな物件を探し、契約しなければならなくなります。とくに2月3月の繁忙期では1ヶ月の経過は致命的で、めぼしい物件はほとんど契約済みが先行申込済みになってしまっていることも。
先行申込はあくまでも確認内見が出来る正式な申込で、見ないと判断できないというスタンスで申込するにはリスクが伴うと考えるべきでしょう。
先行申込については、関連記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。
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