繁忙期になると、多くの賃貸物件に先行契約や先行申込(内見申込)が入ります。物件数はたくさんありますが、なかなか内見をしてから決めることが難しい時期。先行契約と先行申込は何が違うのでしょうか。この記事ではそれぞれのメリットデメリット、リスクについて、また先行契約・先行申込はどのような物件に向いているかを解説していきます。
先行申込とは、賃貸物件の内見をする前に入居申込をすることをいいます。内見申込と呼ばれることもあります。通常は物件の内見をした後に申込手続きをしますが、退去予定の物件や、新築未完成の物件などで、内見が出来ない場合に先行申込を受付することがあります。
先行申込と言っても、正式な申込です。下記のような流れで進みます。
④の入居審査は、簡易的にだけ行い、⑥意思決定後に正式に審査を進める場合もあります。 ただし、審査が厳しい場合は、簡易審査の段階でNGが出ることがほとんどです。 入居審査については関連記事で細かく解説していますのであわせて御覧ください。
【関連記事】 賃貸の審査を通すポイントとは?!収入の目安やNG理由も徹底解説!
先行申込の一番のメリットは、実際に内見をしてから決めるかどうか判断できることです。物件を見てやっぱり違うと感じればキャンセルが出来るのは安心です。
特に繁忙期は条件の揃った物件は、内見して決めようと思ったら既に他から申込が入ってしまうことも頻繁に起こります。内見申込で優先的に判断できる状態になるだけでも安心できます。
先行申込は内見後判断が出来るとは言え、基本的には契約することが前提です。仮押さえの気持ちで2件3件と先行申込をすることは原則出来ません。「だったら複数の不動産会社で1件づつ申込すればいいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、違う不動産会社でも、申込物件の管理会社が同じ場合や、家主が同じ場合、また保証会社が同じ場合などに、複数申込が入れていることがバレてしまうことも十分考えられます。そのような場合、キャンセルする可能性が高いと判断されて審査が落ちてしまうことも。。。先行申込は1人1件までが原則ということをしっかり覚えておいてください。。
先行申込はあくまでも申込です。絶対に入居できるわけではありません。人気物件では先行申込が複数本入ることがほとんどで、一般的には申込をした順に、一番手、二番手と順番がつけられます。一番手の人がキャンセルになれば二番手が繰り上がるという流れです。 ②-1:順序が入れ替わるリスクがある事情として、先行契約も平行して受け付けている場合があげられます。2.そもそも先行契約とは?で解説しますが、先行契約は内見をせずに契約することで、先行申込より優先されます。先行申込をする物件が先行契約も受け付けているかどうかはしっかりと確認しなければなりません。
②-2:順序が入れ替わるリスクがある事情として、交渉をしている場合があげられます。 内見後、一番手、二番手ともに契約意思があったとして、賃料交渉が入っている一番手と、交渉が全くない二番手がいた場合に、二番手の申込が選ばれることは普通に起こります。二番手に交渉がないので、満額であれば契約できますと丁寧に言ってくれればありがたいですが、審査落ちとしてバッサリ処理されてしまうこともありますので注意が必要です。
先行申込から内見までの期間が1ヶ月後だったとして、実際に内見して気に入らなかったとなった場合、もちろんその期間は経過しています。入居時期が決まっている場合、短い期間で新たな物件を探し、契約しなければならなくなります。とくに2月3月の繁忙期では1ヶ月の経過は致命的で、めぼしい物件はほとんど契約済みが先行申込済みになってしまっていることも。先行申込はあくまでも確認内見が出来る正式な申込で、見ないと判断できないというスタンスで申込するにはリスクが伴うと考えるべきでしょう。
先行契約とは、賃貸物件の内見をする前に契約をすることをいいます。通常は物件の内見をした後に申込手続きをしますが、退去予定の物件や、新築未完成の物件などで、内見が出来ない場合に先行契約を受付することがあります。
先行契約は正式な契約ですので下記のような流れで進みます。
先行契約では、内見前に契約が完了します。内見せずに契約をすることを了承して手続きすることになります。新築である程度内装が仕上がった状態で採寸などを目的とした確認内見が出来ることもありますが、契約が完了している為、キャンセルは出来ません。どうしても住めないという場合は解約手続きを取ることになります。
外部リンク:東京都庁賃貸のトラブル「内見しないで契約」
先行契約の一番のメリットは、契約が確定することです。内見をしていないだけで契約が締結されていますので、先行申込のように順序が入れ替わってしまったり、家主に入居を断られてしまうことはありません。
内見をしないというリスクと引き換えに、良い条件の物件を選ぶことが出来ます。先行契約で決まる物件の多くは、仮に内見が可能になればすぐにでも申込が入るような優良物件であることがほとんど。手つかずの状態で優良物件を選べるのは先行契約ならではです。
先行契約の場合、引き渡し日(鍵を受け取れる日)も事前に確定していることがほとんどです。賃貸からの住み替えの場合では解約のタイミングを無駄なく設定できます。引っ越しの準備や役所などでの手続きも通常の契約よりも時間的に余裕があるため、しっかり備えることが出来ます。
先行契約は内見前に契約が完了している為、キャンセルが出来ません。新築の場合は図面や設備表などを入念に確認しましょう。退去前物件の場合は、同室の写真データがないかをしっかり確認することが重要です。また周辺環境を必ず確認しましょう。騒音や近隣にある建物や施設は完成前でも確認できます。方位は配置図等を用いてしっかり確認しましょう。南向きだからといって必ずしも日当たりがいいとは限りません。
キャンセルができないこととほとんど同じですが、内見せずに契約することはやはり不安です。退去前物件であれば同じ物件の別部屋を、新築未完成であれば同じメーカーやブランドのシリーズを内見し、グレード感や設備のイメージを確認することをおすすめします。
新築以外の先行契約で1番のリスクになるのがクリーニングの状況がわからないことです。前入居者がタバコを吸っていて匂いが落ちきらないことや、フローリングの張替えを行った際にイメージと違う色になっていた、設備故障があって予定していた期日に鍵を受け取れないなど、先行契約でのトラブルの多くはクリーニングに関連する事項です。退去が完了した段階で、一度内見し、どの程度の原状回復が行われるのかを入念に確認するようにしましょう。
2月3月はとにかく一人暮らしの引越が1番多い時期です。オートロック付きの比較的新しいマンションは、ほとんど内見開始前に申込が入ってしまいます。希望エリアで条件を満たしている物件は周辺環境を確認した上で、先行申込することをお勧めします。
ハウスメーカー製の築浅1LDKは間取りもよく、設備も充実している為、大変人気です。ただし1Kほど物件数が多くない為、競争率が高くなりがちです。予算に合った、希望エリアで築年数が新しい1LDKの情報が出た場合、先行申込をすることをおすすめします。
新築物件に住むことが出来るチャンスは多くありません。新築物件の募集があった際は先行契約をおすすめします。新築の場合は先程あげた退去後のクリーニング状況がわからないという、先行契約で1番のリスクがありません。また多くの新築物件では設備表や詳細の図面などもしっかり準備されている為、イメージとの乖離は起こりにくいです。周辺環境や採光などをしっかり確認して、希望エリアに良い新築物件の情報があれば、募集開始日をこまめにチェックしましょう。
本来は新築以外の先行契約はあまりおすすめは出来ないのですが、先行申込と先行契約を並行して募集している物件で、その物件を本当に気に入っているのであれば先行契約することをおすすめします。1番の理由は住みたいと思っていた物件を、他の人に取られて住めなくなるとトラウマ化することが多いからです。どんな物件を見てもその物件と比較して決めきれなくなってしまいます。後悔しない為にも気に入っているならば先行契約を決断することをおすすめします。
②現地で外観 別の部屋が空いていれば内見
③先行申込
④入居審査
⑤退去後(新築の場合は内覧会)に内見
⑥意思決定(キャンセル可能)
⑦契約
②現地で外観や周辺環境を確認
③申込
⑤契約
⑥確認内見(採寸等)
⑦鍵の引き渡し
②物件の予約が出来る
②条件のいい物件を契約出来る
③引っ越し準備をしっかりできる
②あくまでも申込、入居が確約されない
③内見までの間も時間は流れている
②内見せずに契約しなければならない
③退去前物件の場合、クリーニングの状況がわからない
(2)ハウスメーカーの1LDK
以上、先行申込と先行契約のメリットデメリット、リスクについての解説でした。 今回ご紹介した、先行申込・先行契約の特徴を理解し有効に活用していただければ幸いです。
2月や3月に引越しを予定している人は、情報収集を始めるには今がとてもタイミングです。3月完成予定の新築物件の情報もそろそろ出始めるタイミングです。
遠方からの引越しを検討されている方は、オンライン相談もおすすめです。 当社のオペレーターは実際に店舗でお客様のご対応をしていた経験者のみです。 宅地建物取引士も多数在籍しておりますので手続きのご相談も、街のことでもお気兼ねなくお問い合わせください。それでは最後までご覧いただきありがとうございました。
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